2023-24 プレミアリーグ 第5節 マンチェスターシティ vs ウェストハム (戦術分析編)
プレミアリーグ第5節マンチェスターシティ vs ウェストハムの試合を解説します。
得点分析編はこちら!
開幕4連勝中のマンC、対するウェストハムは、カウンターを軸とした攻撃で3勝1分と好調。アントニオ、ボーウェンのFWがマンCの守備を質で勝ることができるか注目です。
結果は、マンCの勝利
両チームのスタメン
目次
・総括
・両チームの攻撃・守備
総括
前半ウェストハムはパケタを起点としたビルドアップが上手くいき、互角の勝負をしていたがマンCが守備の戦術を変更する事でビルドアップを防ぎ、後半3ゴールを奪い改めて監督と選手のレベルの高さを感じる試合展開となった。
また、引いて守るウェストハムに対して、新加入ドクのドリブルを起点に相手陣形を崩している部分が印象的でした。ただ、ウェストハムもカウンターになると得点になりかけるシーンもあり、マンCに勝つなら守備に人数を掛け、2~3人で攻撃を完結できるチームだと感じた。特に前線の選手は突破力と足が速い選手がいることが条件になりそう。マンCは、新加入のドクの活躍やヌネスの入りたてとは思えない連携やポジショニングの良さが光っていた。選手層の厚みも増し、優勝に向けて良い兆しとなった。
マンC 攻撃
後方からのビルドアップ
前半は、ルベンディアス(#3)→ロドリ(#16)orシウバ(#20)でボールを回し相手を引きつけてからサイドやライン間にパスを供給し相手が後ろ向きになったタイミングでCBのラインをあげていく展開が多かった。
後半は、1点リードされた事もありウォーカー(#2)↔︎シウバの位置を逆にし、シウバがサイドで仕掛けたり、ゴール前に顔を出す様に修正する事で、1G1Aの活躍をする。
押し込んでいる際の攻撃
ドク・グバルディオルの連携
ドク(#11)が相手を引きつけ、空いたスペースに後ろからグバルディオル(#24)が飛び出すことでフリーでボールを受け、ハーランド(#9)にパスを行うシーンが何度が見られた。
相手が引いた状態でも、グバルディオルもドクの近くにいすぎない為、相手はマークをつかない。結果フリーでボールを受けてクロスを行えていた。
この事から、パスを受ける選手も適切な距離感を保つ事の重要性がわかる。
ドク・アルバレスの連携
ドクがドリブルを中に行い、ソーチェク(#28)が本来はプレスしに行きたい所だがアルバレス(#9)が前に走る事で付いていかざるをえない状況にし、ハーランドへボールを渡すシーンが何度か見られた。
ドリブルを行う選手に対して、スペースをうみだす事の重要性がわかる。
マンC 守備
前半は、いつも通りハイプレスで守っていたがパケタ(#10)が下がりボールをキープされたり、サイドライン際に立たれる事で、前線へのパスコースが空き繋がれていた。後半は前線からプレスを行わず、引いて守る形に修正。
結果、前線へのスペースを消す事で、後半はビルドアップを妨ぐ事に成功。
ウェストハム 攻撃
後方からのビルドアップ
パケタを起点としたビルドアップ
パケタが左SBの位置に下がり、左SBのエメルソン(#33)がポジションを上げる。マンCはハイプレスでかけてくる為、パケタ、エメルソンにマークが集中する事で、前線へのパスコースが空く。このタイミングで中盤のウォードプラウズ(#7)も前線へ、パケタやエメルソンが前線の選手へパスを行い、ビルドアップが上手くいくシーンが前半何度も見られた。
キープ力がある選手を低めの位置に下げる事でマンCのプレスを利用し局面を打開する意図がみられた。
※後半はマンCがハイプレスを行わない事で、前線のパスコースを消し、このビルドアップは無効化される。
アントニオ VS アカンジ
上記のビルドアップの流れでアントニオ(#9)がボールを収め、アカンジ(#25)とマッチアップする形が2~3回あったが、アカンジの対人能力が勝り思う様な展開にできなかった。
中盤からのカウンター
ゴール前で押し込まれた状況からのカウンターは、前線にアントニオしかいない為、思う様にチャンスが作れなかったが、中盤で相手のミスからカウンターを行った時が一番ゴールの可能性が感じられた。
ウェストハム 守備
守備時でも必ず、アントニオを前線に配置。
前線の選手もプレスは積極的にかけず、ゴール前でボールを奪う形。
CBの選手は、フォーデン(#47)やアルバレスがボールを受けに降りていくと、追いかけたりする。(自分の近くに立っていて前述の動きをした時のみ)ゴールから離れすぎたら、マークは付かずにゴール前に戻る。
マンCは、全員が流動的にポジションを変えたりするので、マンマークだとゴール前で大きなスペースがうまれる可能性が高い為、ゾーンディフェンスをとっていると思われる。